双極性障害って?

このサイトの名前、「bipolardays」は日本語訳すると「双極の日々」という意味になるでしょうか。
polarが北極、南極を意味することから想像できるように、bi-polarは、極が2つある状態、両極の、という意味になります。

1、双極性障害とは?
2、双極性障害の罹患率
3、双極性障害の第一選択薬
4、双極性障害は治るのか

【1、双極性障害とは?】
双極性障害は、国際分類でbipolar disorderと呼ばれ、気分がハイ(高い)になり活動性が高まる“躁病・躁状態”と気分がロー(低い)になり活動性が落ちる“うつ病・うつ状態”の『二つの極のエピソード(症状的な出来事)』を持っている精神疾患であり、うつ病と同じ、気分障害の一つです。20世紀半ばまでは、「躁うつ病」でしたが、国際分類での呼び方に合わせて、双極性障害という呼称になりました。どちらも呼び方が違うだけで、中身はほぼ同じものです。

20世紀最大の精神医学者の一人であるエミール・クレペリン(E.Kraepelin, 1856-1926)の精神病理学の教科書では、統合失調症と躁うつ病が『内因性二大精神病』として定義されましたが、現在でも『(重症度の高い)精神病』といえばこの二つの精神疾患のことを意味することが多くなっています。

双極性障害は2つの型があり、興奮し過ぎて日常生活や仕事が困難になり対人関係のトラブルを繰り返すほどの激しい“躁状態”のある『双極1型障害』(1は本来ローマ数字だが、機種依存文字のため代替で使用)とそれよりも程度が軽くて気分が高ぶって活動的・多弁になるくらいの軽躁状態のある『双極2型障害』に分類することができます

【2、双極性障害の罹患率】
日本における生涯有病率は、およそ0.2 %とかなり低い病気です。(2006年の調査)ただ、日本での鬱病と双極性障害の罹患数を比べると、鬱病が800,000人に対して双極性障害が122,000人と、1/6〜1/7位の割合で双極性障害と診断されていることから、身近とはいえないまでも、これはなかなかリアリティーのある数字なのではないでしょうか。(厚生労働省による患者調査)

参考資料:図録▽うつ病・躁うつ病の総患者数
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2150.html

【3、双極性障害の第一選択薬】
第一選択薬とは、ある疾患に対して数ある治療薬のうち、最初に投与するべき治療薬のことをいいます。有効性が高く、副作用も少ない薬が通常第一選択薬となりますが、これを投与しても効果が見られない場合、第二選択薬の投与にうつります。
実際は、個人や主治医の経験などに合わせて(処方経験や、薬自体のエビデンスなどにより、その医師が使いやすい薬というのがあったりする)、第一選択薬のうち1つから数種類を組み合わせて処方されることが多く、場合によっては第一選択薬以外の薬や漢方薬を含む処方になることがあります。

日本で認可されているのは現時点では下記の4種類です。

  • リチウム塩(リーマスなど)
  • バルプロ酸ナトリウム(デパケン、デパケンRなど)
  • カルバマゼピン(テグレトールなど)
  • ラモトリギン(ラミクタール(2011年7月に正式承認))

*( )内は商品名

これらは気分安定薬(ムードスタビライザー*1)と呼ばれています。これらの薬が双極性障害に有効だというのは、臨床の現場で使ってみて偶然分かった、というのが多いようです。

具体的には、

  • リチウム塩:元々自然界に存在するミネラルのひとつで、19世紀末に健康食として流行したのち、戦後まもなく双極性障害に有効だということが発見される。
  • バルプロ酸ナトリウム:戦後、双極性障害に有効だということが発見される。
  • カルマバゼピン:1970年代に日本人精神科医によって双極性障害に有効だということが発見される。
  • ラモトリギン:こういった抗てんかん薬の一部が双極性障害に有効であることから、新しい抗てんかん薬ができると双極性障害への効果も確認するという流れができ、厚生労働省の薬食審医薬品第一部会により承認を受け、日本国内で使われるようになった。

【4、双極性障害は治るのか】

双極性障害が治るかどうか、というのはインターネット上で検索しても分かるように、諸説あります。一般的には「寛解*2」に至ることを治療の目的とし、病状が安定してもそれを維持するために服薬は続ける、という例が多いようです。ただ、人によっては完治し、薬を飲まなくても良くなった、という人も実際いるようで、どちらが正解、というのははっきりとは分かりません。

ただ、糖尿病などの持病を持っている人というのは世の中には沢山いる訳ですし、その中で双極性障害は治療のための有効な薬もあり、寛解の可能性もあるということを考えると、特別悲観するようなことではないと思います。私個人の意見ですが、”完治”するかどうかに気を揉むよりも、病気と仲良くつき合っていく、という感覚で、薬と主治医、そして周りの家族の力を借りながら、少しずつ再発を抑えていくことに意味があるのではないかと思います。

*2【寛解(かんかい)】-wikipediaより

永続的か一時的を問わず、病気による症状が好転または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を指す。すなわち、一般的な意味で完治せずとも、臨床的に「問題ない程度」にまで状態がよくなる、あるいはその状態が続けば寛解したと見なす。

また、双極性障害は適切な治療をすることで再発を抑えることができる反面、治療を行わなかった場合、下記の表のように再発の期間がどんどん短くなっていってしまいます。
双極性障害は、本人が病識を持ちにくい疾患のため、治療を継続していくためには医師との信頼関係が不可欠なのはもちろん、家族など周りの人に協力してもらいながら、治療を継続していくのが望ましいでしょう。

躁うつ病のホームページの中の双極性障害の手引き(pdf)からの引用です。

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